菅江真澄の道

江戸時代後期の紀行家、菅江真澄が旅したゆかりの地を巡っていく!

菅江真澄ゆかりの地(長興寺)

 菅江真澄が北への旅に出て約1年間は長野県塩尻市にある洗馬を拠点としていた。


 今回は塩尻市内にある長興寺を行ってみた。菅江真澄は長興寺の住職である洞月上人と交流していた。



門の横には柳田国男と折口信夫の歌碑がある。


歌碑の解説がその横の石に刻み込まれている。


柳田国男の短歌は昭和5年にこの寺で開かれた「民間伝承大意」の講演の際、詠んだ。


洗馬山のかまへの庵の雨の日の むかし話と我もなりなむ


また菅江真澄(白井秀雄)と洞月上人の石碑があり歌が刻み込まれている。



名も志らぬ鳥の鳴音を友として浮世はなるゝ奥の山寺  洞月


夜とゝも行ふ法のともし火やたゝぬひひかりをみねの古寺 秀雄



菅江真澄が洗馬の地に来たのは洞月上人を訪れたためで、釜井庵に滞在して交流を深めていた。北へ向かって旅立つ菅江真澄に洞月上人は「和歌秘伝書」を授けた。これは和歌を詠むうえでの心得や技法などについてまとめられた巻物である。この巻物を授けるということは旅に生きて歌を詠み続けるという菅江真澄について洞月上人が共感したと思われる。


 石段を上がり寺の境内に行くと地蔵様がお迎え。



 また境内には市名勝の庭園がある。



 見事な庭園で心和む場所であった。


参考文献:真澄紀行(秋田県立博物館)