菅江真澄の道

江戸時代後期の紀行家、菅江真澄が旅したゆかりの地を巡っていく!

菅江真澄ゆかりの地(湯沢①)

天明4年、菅江真澄が柳田から湯沢を訪れた際に、湯沢は昔、山畑かた湯が出たから名付けられた由来も書き留めている。今日の湯沢には基幹産業として農業、酒造業、曲げ木工業などがみられる。これらもまた長い歴史をえて現在に伝わるもので、菅江真澄が江戸時代に記録したのは大事な跡付けともされる。


 菅江真澄は犬自慢をしている様子を記した。これは小正月行事の「犬っこ祭り」と関係があるかもしれない。また、子供たちにも関心を示し。「はこぞり」で雪遊びしている様子を記した。


「秋田犬」


 江戸時代に庶民の生活を記録したものは少ない。その中で旅日記「秋田のかりね」は我々の今の生活にも脈々と続いている雪国の伝統というものを考えさせてくれるようだ。


 雪国の冬ごもりを実体験し、様々な工夫を凝らした雪の中での暮らしを興味深く記した菅江真澄はつぎのような思いを述べてこの日記の結びとしている。



「秋田の地方であるので、この歌がことさら興味深く思われる。鶏もゆく年を惜しむであろう、声のかぎりに泣くのが聞こえた。故郷を思うとすでに二百里あまりを離れ、旅に出てから2年目の新年を迎えるのである」


参考文献:秋田のかりねを行く